数学科教育論

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日本大学理工学部 山本修一


授業のテーマ


グラフで見る関数の多項式近似


接線の計算

高等学校へ入るとすぐに1次関数や2次関数について勉強します。 また,2次関数のグラフ上の1点において, その接線を求める計算はよくやりました. 接線は1次式です. 2次関数のグラフ全域を1次式で表すことはできませんが, グラフ上の1点の近くでは,1次式で表せたということが できます. この現象を,2次関数のグラフを局所的に1次式で近似する といいます.


<この授業のねらい>

この授業では,3次関数やもっと複雑な関数を, グラフ上の1点において,1次関数,2次関数で 近づけていくことを視覚的に学びます. 数式処理ソフト Mathematica を利用して, グラフを描き,アニメーションによってその近似の進行状況を観察します. このことを通して,関数を多項式で近似するという意味とテーラーの定理を 理解するのがねらいです.



 I  3次関数を1次式で近似する.


(1) 3次関数 f(x)=x 3-x2-2x に対して, y=f(x) のグラフを描きます.

(ここをクリックしてください)


(2) グラフ上の1点 (0,0) において接線の方程式を計算して ください.

(ここをクリックすると答えが出ます)

(3) (2) で計算した接線とはどういうものでしょうか.

(ここをクリックするとわかります)


(4) 実際にアニメーションで観察しましょう.

これを観察するために MathReader を起動し,実行ファイル lesson1.nb を開きます。 (file メニューで open をクリックして lesson1.nb を選択)。
(注意) 実行ファイル lesson1.nb が C ドライブのフォルダー MathReader に保存していない場合は ここをクリックして手に入れてください。


観察 1

グラフ上の2点 (0,0), (1/n,f(1/n)) を通る直線は
n を大きくすると
グラフ上の1点 (0,0) における接線に 近づく.


考察 1

上で考えた点 (0,0) を (a,f(a)) とし,1/n を h として考察すると


確認1

関数 y=f(x) のグラフ上の
1点 (a,f(a))における接線とは,
2点 (a,f(a)), (a+h,f(a+h)) を通る直線 に対して
値 h を限りなく小さくするとき,
これら直線が近づいていく 直線のことである.


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