< 平成13年度教養ゼミナール >

MATHEMATICA で数学を学ぶ



担当者  山本 修一





授業の目標

このゼミでは, 数式処理ソフト Mathematica を用いて, パソコン上に描き出される 画面(数値やグラフ)を通して数学を学ぶ. 具体的には,微分や積分など極限の操作で達成される 数学的概念または定理を, グラフィカルに近似する操作(プログラムの 作成とパソコン上のグラフ)を通し, 視覚的に内容を理解していく. その結果,高校のときは丸暗記として覚えていた 公式 (sin x)'=cos x などに数学的意味を持たせ, 公式の丸暗記からの脱皮を 目標とする.


授業の内容

  1. ガイダンス

    授業の進め方と ソフト Mathematica のインストール

  2. Mathematica の使い方

    ソフトの起動の仕方,終了の仕方, ヘルプの見方を説明する.

  3. Mathematica を使ってみる

    基本演算の規則,記号 及び近似コマンド N を学び, 基本的な計算をしたり,関数の定義の仕方を学ぶ.

  4. Mathematica でグラフを描く

    Plot コマンドの使い方といくつかの オプションを学び,いろいろな関数の グラフを表示したり,Do コマンドでアニメションを作る.

  5. 接線を近似する (1)

    関数 y=f(x)=x2(4-x)/3 のグラフ上の点 (3,f(3)) における接線を考えることで, 接線という概念およびその傾きが 微分係数 f '(3) で与えられることを グラフィカルな近似 を通して理解する.

  6. 接線を近似する (2)

    関数 y=f(x)=sin x のグラフ上の点 (0,f(0)) における接線を考えることで, 接線という概念およびその傾きが 微分係数 f '(0) で与えられることを グラフィカルな近似 を通して理解する.

  7. 微分することをグラフィカルに見る

    微分法の公式 (x2) '= 2x や (sin x) '= cos x の意味を, 接線の傾きを考えた対応 として, グラフィカルな近似を通して理解する.

  8. 積分を計算する (1)

    関数 x2 の積分を, 原始関数を求めて 計算するのではなく, 区間を n 等分して 得られる リーマン和として Mathematica を用いて近似的に計算する.

  9. 積分を計算する (2)

    cos x についてのリーマン和を (1) と同じ方法で Mathematica を用いて計算する.

  10. 積分することを グラフィカルに見る (1)

    関数 2x を積分すると関数 x2 のグラフが 描かれていくことを,グラフィカルな近似を 通して見る.

  11. 積分することを グラフィカルに見る (2)

    cos x を積分すると sin x のグラフが描かれていくことを,グラフィカルな近似を通して 見る.

  12. 関数を多項式で近似する

    sin x のマクローリン展開を 多項式で近似しながらグラフィカルに 見ていく.

  13. 微分方程式の解をグラフィカルに作る (1)

    1 階の線形微分方程式 y'+2y=0 の解を近似的に グラフィカルに作り出すことで, 微分方程式の解の意味を学ぶ.

  14. 微分方程式の解をグラフィカルに作る (2)

    2 階の線形微分方程式 y''+y=0 の解を近似的に グラフィカルに作り出すことで, 微分方程式の解の意味を学ぶ.

  15. 定期試験



受講に関しての注意

  1. 受講者はCD-ROM 付きノートパソコンを持っていること
    (コンピュータリテラシー で貸与されるものでも可)
  2. 受講者は復習や宿題にきちんと対応できること 
  3. 受講者は20名以下で先着順 
成績評価基準: 出席と平常点を重視する(評価の60%以上) が,出席のみでは単位取得できない.


授業風景


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